OITA NAKAMURA HOSPITAL

Feature[ 特集 ]

私たちのウェルビーイング体験(前編)

ひとりひとりの価値観を尊重し、未来へつなぐ

"Well-being" [医療現場におけるウェルビーイングを目指して]

近年注目を集めている言葉“ウェルビーイング”。
公益社団法人日本WHO協会の訳によると、ウェルビーイングは「肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること」と定義されている。
(引用元:https://japan-who.or.jp/about/who-what/charter/)
大分中村病院が掲げる「病気だけでなく、本気で、人間と向き合う」というこころざしは、まさに、このウェルビーイングの概念につながっている。
多様な価値観が広がる現代社会において、医療現場におけるウェルビーイングとは何だろうか? リハビリテーションに携わるスタッフの体験を聞いた。

畑中哲志

話し手

畑中哲志(はたなか さとし)

役職

地域連携部 課長 / 理学療法士

入社歴

入社13年目

渡邉みなえ

話し手

渡邉みなえ(わたなべ みなえ)

役職

リハビリテーション部 言語聴覚士

入社歴

入社7年目

患者さんと共に悩み、喜びを分かち合う。
ひとりひとりの価値観を尊重し、未来へつなぐ

お二人の仕事内容を教えてください。

畑中:鹿児島の病院に5年ほど勤務した後、大分中村病院に転職して13年目になります。
理学療法士として現場に出ていましたが、今は地域連携部で営業の仕事を担っています。地域連携部は主に急性期病院からの受け入れ調整等を行う前方支援と、患者さんの退院後の生活や介護保険についての相談対応など後方支援を担当する部署です。その中で回復期病棟の受け入れのために当院の魅力をアピールしたり、急性期病院からのフィードバックを院内で共有・改善し、よりよい医療の提供に努めています。

渡邉:私は言語聴覚士として、内科疾患や脳外科疾患の方の嚥下機能の訓練や、高次脳機能障害の患者さんのリハビリを行っています。急性期病棟と回復期病棟のどちらも対応しています。

畑中:渡邉さんが言語聴覚士を目指したきっかけは何ですか?

渡邉:父親が理学療法士ということもあり、医療関係の仕事に就きたいなと思いました。進路について考えていたときに、父親が言語聴覚士の仕事について教えてくれました。言語聴覚士は理学療法士より新しい資格で人手不足ということもありました。
大分市にある専門学校のオープンキャンパスに通ううちに魅力を感じて、この仕事をしたいなと思うようになりました。大分中村病院には在学中に何度か見学に来たことがあり、地域社会とのつながりを強く感じました。 急性期から回復期まで対応していて幅広い経験も積めますし、卒業後にここで働きたいと思いました。畑中さんはどうですか?

畑中:僕は中学1年生の時に母親が交通事故に遭い、骨折して切断するかしないかぐらいの危険な状態だったんです。そのとき母が楽しそうにリハビリをして、回復していく姿を間近で見ていました。当時担当してくださった理学療法士さんが僕にとても親切にしてくれて、それからずっと自然に理学療法士になると考えていました。

渡邉:そんな出会いがあったんですね。

畑中:母親からも先生の良い話を聞いていましたし、僕のことも気にかけてくださって、憧れを持ちました。その方から大分中村病院を紹介してもらって今に至ります。

―リハビリにおける患者さんのウェルビーイングについてお聞かせください

畑中:リハビリを行う上で、幸せやその人らしさというのは常に意識しています。時間は未来に向かって投資するものだと思っているので、担当している患者さんに「この時間で何ができるか」「この時間を有意義にするにはどうすればいいか」と考えますね。医療の正解が患者さんの正解とは限らない。いろんな選択肢の中で、患者さん自身が選択できるように僕たちが支えることが必要なのかなと思っています。

渡邉:畑中さんは優しさと厳しさを持って、それを実践できていてすごいなと思います。私も患者さんの希望にどれだけ近づけるか考えながら、できる限り患者さんの想いに寄せていきたいなといつも思っています。


後半へつづく。

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