臨床研修プログラム

初期臨床研修では、医師としての人格を涵養するとともに、病める人の尊厳を守り、全人的医療を施すことができ、幅広い基本的な診療能力を身につけることが求められています。 当院での研修プログラムは、当院が掲げている「医療による社会貢献」の基本理念のもとに、基本的診療業務である一般外来治療、初期救急対応、病棟診療および地域に密着した第一線の医療現場での初期臨床研修を行い、確実な診療能力を修得することを目指すのが特色です。

  1. 当院は大分保健医療圏における二次救急医療機関であり、内科系専門医、外科系専門医による密で横断的な連携のもとに、救急医療に対する総合的な研修ができる。
  2. 当院での研修期間には、指導医とともに所属する診療科に搬送された救急患者の対応を行い、救急医療の研修ができる。
  3. 臨床研修における到達目標を十分に達成するため、原則として、内科24週以上、外科8週以上、小児科4週以上、婦人科4週以上、精神科4週以上、地域医療4週以上、麻酔科4週を含めた救急12週以上を必須分野とし研修する。
  4. 一般外来研修は、内科研修中に週1日並行研修を行う。
  5. 小児科、婦人科、精神科、地域医療の研修は協力病院(施設)にて行う。
  6. リハビリテーション部門では、個々の患者ごとに治療計画を作成し早期離床に務めており、超急性期から回復期までのリハビリテーションの研修ができる。
  7. 当院は地域の診療所との連携を取りながら、社会復帰促進のため地域連携部を設け各種相談に応じる一方、離島診療所・地域の中小病院とも連携し、さらに社会福祉法人太陽の家(関連施設)との連携を密にしており、社会福祉、地域医療の研修ができる。
  8. 「BLS」、「ICLS」、「ERカンファレス」、「エコ-勉強会」、「心電図勉強会」、「感染症実践塾」、「心臓リハビリテーション勉強会」、「がん化学療法・緩和ケア勉強会」、「糖尿病勉強会」、「各科のカンファレンス」、「救急症例検討会」、「ACP勉強会」などに参加し実地に則した基本的な技術・知識を修得することができる。
  9. 病院全体の職員講習会・講演会への参加、学会参加、社会活動への参加、感染予防対策や安全管理等の活動を実践することにより、医療の社会的使命、医療安全の基本等を修得することができる。
  10. 選択研修では、大分大学医学部附属病院(内科系・外科系・産婦人科・放射線科・麻酔科(集中治療部)において、「*たすきがけ研修」をすることができる。(1~3ヶ月間)

    *「たすきがけ研修」とは、大分中村病院をベースに大分大学医学部附属病院で研修すること。

  • 研修医の様子

    循環器内科研修で、上級医と共に心臓カテーテル検査を行う研修医

  • 研修医の様子

    整形外科研修で手術の助手をする研修医

研修スケジュール

1年目

4月〜12月
  • オリエンテーション(1週間)
  • 内科系:24週以上(週1日一般外来を並行研修)

    循環器・消化器・糖尿病・呼吸器内科・総合診療科

    原則として各診療分野を1~2ヶ月ごとにローテ―ト

  • 外科系:8週以上(週1日救急を並行研修)

    整形外科(脊椎外科、手外科)・外科・脳神経外科・形成外科・泌尿器科・婦人科

    外科を基本に1診療科以上選択ローテート

  • 麻酔科:4週以上
1月〜3月
  • 婦人科・精神科・小児科:各4週以上

    1年次の10ヶ月目以降から研修可能

    協力型臨床研修病院(施設)で研修を行う

※救急研修 週単位でローテートする

2年目

3月〜2月
  • 地域医療(一般外来含む):4週以上

    2年次に必ず研修を行う

  • 選択研修:52週

    [大分中村病院]

    循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、呼吸器内科、総合診療科、整形外科(脊椎外科、手外科)、外科、脳神経外科、形成外科、泌尿器科、婦人科、麻酔科

    [*たすきがけ研修 大分大学医学部附属病院]

    呼吸器・感染症内科、内分泌・糖尿病内科、膠原病内科、腎臓内科、消化器内科、神経内科、循環器内科、血液内科、腫瘍内科、消化器外科、呼吸器外科、小児外科、心臓血管外科、脳神経外科、整形外科、形成外科、乳腺外科、放射線科、産科産婦人科、皮膚科、麻酔科(集中治療部)、その他当院にない診療科について選択可とする。

    [保健・医療行政]
    • 社会福祉法人 太陽の家
    • 身体障がい者支援施設ゆうわ
    • 東部保健所
    • 大分大学医学部附属病院、保健・医療行政の研修期間は、合わせて4週~12週まで
    • 「*たすきがけ研修」とは、大分中村病院をベースに他の病院または施設で研修すること

研修風景

初期臨床研修について

  • 2年間の初期研修は、原則としてオリエンテーション約1週間を含めた必修科目(内科24週以上、救急(麻酔科4週含む)12週以上、外科8週以上、一般外来4週以上、小児科、婦人科、精神科及び地域医療をそれぞれ4週含む)、選択研修を52週行う。
  • 1年次は、研修開始時のオリエンテーション約1週間、原則として内科研修24週以上、外科研修8週以上、麻酔科4週以上行う。
  • 1年次の研修10ヶ月目以降に、協力型臨床研修病院・臨床研修協力施設において、到達目標達成のために小児科4週以上、婦人科4週以上、精神科4週以上研修を行う。
  • 選択研修では、大分大学医学部附属病院、保健・医療行政施設で4週~12週まで研修をすることができる(たすきがけ研修)。
  • 地域医療研修は2年次以降に4週以上研修する。
  • 本院の特色とする救急医療は、1年次・2年次の2年間を通して行い、その研修日数と麻酔科研修を合計して12週以上となるようにローテートする(※救急研修は、原則1日/週で設定する)。また本院での選択研修の期間は、随時所属する各診療科に搬送される救急患者を対応し、救急医療の研修を行う。
  • 外来、病棟、当直、検査等の業務 指導医のもとに一般外来診療を行い、病棟では受け持ち患者の診断、治療等を行い、当直研修を行う。指導医のもとに注射(IVHを含む)、採血、手術、検査などの基本的な医療行為を研修する。
  • 臨床病理検討会(CPC) すべての研修医は出席する。
  • 院内講習会・講演会・院内勉強会・カンファレンス、すべての研修医は積極的に参加する。