高気圧酸素治療室

高気圧酸素治療室(第1種治療装置)

体の低酸素状態を強力に改善するための治療装置には第1種(1人用)装置と第2種(多人数用)装置があります。当院では1人用の純酸素加圧式第1種治療装置(Sechrist3300HJアメリカ製)1台を使用しています。装置の最大加圧は2.8気圧まで可能です。装置専用の人工呼吸器や輸液ポンプ、生体情報モニタ、ME機器を装備して重症患者さんにも対応しています。

高気圧酸素治療室のご案内

治療は入院、外来とも8:50~17:30(午前4人、午後6人)で行っていますが、治療の特殊性から救急患者には24時間体制で対応しています。

治療は衣服と持物に制限がありますが、患者さんはチャンバー内でよこになって頂き、音楽を聞いたり、透明チャンバー越しにテレビやビデオ等を見ながらリラックスした雰囲気で治療が受けられます。治療室ではご本人・ご家族向けに詳しいパンフレットを用意しています。

高気圧酸素治療室の様子

高気圧酸素治療について

高気圧酸素治療装置を用いて大気圧よりも高い環境をつくり、その中で患者さんに高濃度の酸素を吸入して頂き、酸素の圧力を高めて酸素の移動スピードを速め、血液中に溶解する酸素の量を増加させて各組織に十分な酸素を供給し、各臓器や組織の低酸素状態を改善させて疾患の治療に効果をあげようとするものです。

1回の治療時間は80分程です。加圧時に耳の違和感がありますが、ほとんど痛みを伴わず非襲侵的に行われます。適応は低酸素症を伴う外科的疾患、内科的疾患に広く適用されます。

高気圧酸素治療の適応疾患、治療実績

概要

担当技師

臨床工学技士10名(呼吸療法認定士1名)

装置

純酸素加圧式第1種治療装置(Sechrist3300HJ×2台 アメリカ製)

開設

平成2年9月、第1種装置1台。平成3年3月、同装置1台。現在2台にて稼動

治療実績

患者数8,007人。治療回数47,381回。(令和5年12月末の累計)

年間患者数:122人 治療回数:718回(令和5年12月末現在)

適応疾患(保険診療)

発症後1か月以内に行う場合、一連につき7回を限度とするもの
  • 減圧症
  • 空気塞栓
一連につき10回を限度とするもの
  • 急性一酸化炭素中毒その他のガス中毒(間歇型を含む。)
  • 重症軟部組織感染症(ガス壊疽、壊死性筋膜炎)又は頭蓋内膿瘍
  • 急性末梢血管障害
    重症の熱傷又は凍傷
    広汎挫傷又は中等度以上の血管断裂を伴う末梢血管障害
    コンパートメント症候群又は圧挫症候群
  • 脳梗塞
  • 重症頭部外傷後若しくは開頭術後の意識障害又は脳浮腫
  • 重症の低酸素脳症
  • 腸閉塞
一連につき30回を限度とするもの
  • 網膜動脈閉塞症
  • 突発性難聴
  • 放射線又は抗癌剤治療と併用される悪性腫瘍
  • 難治性潰瘍を伴う末梢循環障害
  • 皮膚移植
  • 脊髄神経疾患
  • 骨髄炎又は放射線障害
  • スモン

適応疾患については担当医師にご相談下さい。

治療の流れ

  1. 各科の受診、担当医師による症状の確認と治療の説明を行います。(初回のみ)
  2. 更衣室で専用の治療衣に着替えます。
  3. トイレをすませ、高気圧酸素治療室に入室します。
  4. 臨床工学技士(治療技師)が服装、持ち物チェックをします。※初回は、治療装置の説明などを行います。
  5. 治療室に入り、治療を開始します。(治療時間:80分)
  6. 治療終了後、副作用(頭痛、耳痛、吐気など)の有無を確認します。
  7. 更衣室で着替えて終了です。